長野県で家を建てる際に知っておいたほうが良い言葉の一つに「寒冷地仕様」があります。
折角の新築住宅の建築であれば、しっかりと長野の気候に適した寒冷地仕様の設備をそろえ、快適な新築生活を満喫しましょう。
得だと思って大損するケースもあるので注意が必要です。
とても寒い長野県。データによると全国ワースト5位で寒い都道府県といった調査結果もあるほどです。
新築住宅の仕様設備ではしっかりと「寒冷地仕様」となっている設備機器を選ぶ必要があります。
寒冷地仕様と一般的な仕様を比べると、もちろん寒冷地仕様が高額です。
しかし、見た目の金額だけで判断して、寒冷地仕様を選ばなかった場合、満足できる使い方が出来ず、結局交換する羽目になるケースも多々あります。
安物買いの銭失い
にならないように、しっかりと気候に適したレベルの設備を選びましょう。
代表的な寒冷地仕様の設備をお伝えしますので、家づくりの計画を進める際には参考にしてください。
寒冷地仕様にしておくべき設備:エアコン
WEBで検索していたらエアコンが安かった!と飛びついてしまうのは、長野県では禁物かもしれません。
それは、エアコンにも寒冷地仕様がしっかりと用意されているからです。購入したエアコンが寒いエリアに特化した機種でない場合、不便な状態で暮らさなければならないからです。
エアコン選びの一つのポイントとなるのは、霜取り運転(デフロスト運転・除霜運転)時への対策です。
エアコンは室外機庫内の温度が下がりすぎると、室外機についている放熱板部分に霜がつき目詰まりを起こしてしまい、暖房機能の低下を引き起こしてしまうことがあります。
この時に霜取り運転への対策をしていない機種だと、室内への温風送付が止まることもあり、エアコンを稼働しているのに室内は寒い。という事態が起きます。
庫内温度が10℃以下になると蒸発器に霜付きが生じ、フィンが目詰りする。この霜を取ることをデフロストといい、霜の溶かし方によりオフサイクル方式、ホットガス方式、散水式、電気ヒータ方式がある。
出典:weblio辞書
寒冷地仕様のエアコンであれば、家電メーカーごとに各社趣向を凝らした霜取りへの対策が施されているため、エアコンの利きが悪くて寒いな。と感じる瞬間を減らすことが出来ます。
寒冷地である、北海道・東北電力に推薦されている三菱電機の霧ケ峰 (ズバ暖)では、デュアルデフロスト回路を用いて、霜取り運転中も室内への吹き出し温度を維持しています。
出典:三菱電機
同じ家電メーカーの同程度の畳数をまかなうエアコンだとしても、このような寒冷地対応をしていない機種だと、狙った効果が得られない場合がありますので、やはり長野県の家作りであれば、寒冷地仕様のエアコンをつけることは必須となります。
寒冷地仕様にしておくべき設備:エコキュート
エコキュートとは、夜間の電気代が安い時間帯にお湯をつくり貯め、日中にお湯を使う際には貯湯タンクに貯められたお湯を使う給湯設備のことです。
このエコキュートをご自身の新築計画で採用する場合にも「寒冷地仕様」がありますので、ご注意ください。
エコキュートもエアコンと同じように各メーカーがそれぞれ寒冷地を想定した機能を一般のエコキュートに付加し、利便性を向上させています。
出典:ダイキン工業
例えばダイキン工業では、外気温等が3℃以下になった場合、貯湯タンクとヒートポンプ(お湯を作る機械)の間で、お湯を循環させヒートポンプ内の配管を保護する機能をつけています。
この他にも
貯湯タンクの断熱性能を向上
凍結防止ヒーターの設置
などの凍結防止策を施しており、やはり寒いエリアの長野県であればエコキュートも寒冷地仕様にしておくほうが無難です。
寒冷地仕様にしておくべき設備:外の水道(立水栓)
長野を含めた寒冷地ならではの悩みと言えば、冬の寒い日に水道などが凍ってしまう事です。
これは、新築住宅の外の部分にあたる外構工事の際にも注意が必要となります。
外構計画において家の外に水道を設置する場合にも、寒冷地特有の凍結に対しての対策がなされた商品を選ぶ必要があります。
代表的な寒冷地仕様は、水栓内の水を抜くことが出来る仕様です。
水道は蛇口を閉めただけだと、水栓内部に水が残っている状態です。このまま寒さにさらされてしまうと、水が凍り体積が増え水道自体が破損してしまいます。
そのため、寒冷地において家の外に水道を設置する場合は、水栓内の水を抜くことが出来る凍結防止機能がある不凍水栓を用いることが重要です。
建築地によって異なりますが凍結深度と呼ばれる、これ以上地下は凍りませんよというラインが設定されています。
凍結深度とは、冬場の寒さによって地盤が凍る深さのことをいいます。 凍結線ともいい、地域によって深さは異なります。 地面が凍結すると膨張して地盤が押し上げられてしまうため、建物の基礎の底板(フーチン)や水道本管からの横引き給水管は、凍結深度より深いところに設置する必要があります。
出典:すまいポート21
凍結防止機能がある不凍水栓は、水栓上部にある切り替え部分を操作すると、この凍結深度より深い場所に設置された排水部より水を抜くことが出来る為、水栓内の水を抜くことが可能となり、水栓が寒さにさらされても内部で水が凍ってしまい管や水栓自体が破損することを防ぐことが出来ます。
デザイン性だけ重視した水栓を選んでしまうと、この水抜きの機能が付いていないケースもあり、その場合は冬を越す中で破損してしまう事も考えられます。
増えてきているのは、自分で住宅設備をネット購入して失敗してしまうパターン。
最近では、ネット上で住宅設備を購入するお客様も増えてきていますが、選んだ商品が寒冷地に対応していないケースも散見されるようになりました。
一見安く見えても、使えないものを購入してしまってはお金の無駄になってしまいますので、十分ご注意ください。