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ナガノイエラボは長野県で家を建てる人のために、お役立ち情報をまとめています。

パッシブハウスを長野県で建てるには?パッシブハウスの特徴・メリットデメリットをまとめました

長野県でパッシブハウスを建築したい人のために、必要な情報をまとめました。

間違えやすい点や注意点含めパッシブハウスを建てるにあたり必要な情報だと思います。

 

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パッシブハウスとは? ドイツのパッシブハウス研究所認定の超高性能住宅

 

ドイツのウォルフガング・ファイスト博士(Dr.Wolfgang Feist)が確立した高性能な住宅の基準と評価の方法です。

 

現在では、ドイツパッシブハウス研究所が認定機関となっており、規定されている性能認定基準を満たす建築に対し、パッシブハウス研究所に申請及び認定が行われて、初めて正式なパッシブハウスを名乗ることができます。

 

性能認定基準は以下になります。

 

1㎡当たりのエネルギー量 kwh/㎡(年間)
・冷暖房負荷が各15kwh/㎡以下
・一次エネルギー消費量(家電も含む)120kwh/㎡以下
・気密性能として50㎩の加圧時の漏気回数0.6回以下※
※漏気回数0.6回以下=隙間相当面積(C値)=0.2c㎡/㎡以下となる。

 

数字で見てもわかりにくいと思うので、簡単にまとめてしまうと

 

6畳用のエアコン1台程度で、家中を快適に出来る家。です。


冷暖房に必要なエネルギーは、日本の最高基準からみても1/3~1/4程度で済んでしまう驚異的なレベルです。

 

建物の断熱性能を表すUA値や、気密性能を表すC値だけで判断するのではなく、建てたい場所の気象データを元に計算式を用いて最適な建物を導く必要があります。

複合的な観点から㎡あたりの年間のエネルギー消費量をしっかりと計算し、判断される厳しい基準ですので、総合的な力が必要になることが解ります。

 

 

日本国内においてこのパッシブハウス認定を受けた本当のパッシブハウスは、まだまだ少数です。
長野県でも軽井沢パッシブハウスなど数えるほどの施工例しかありません。

 

パッシブハウスの特徴 圧倒的に快適な空間が実現されています

 

パッシブハウスの特徴といえば、なんといっても超高性能住宅が実現する快適な空間及びその生活。と言われています。

 

実際に、長野県内でも極寒のエリアに属する軽井沢地方でPASSIVE HOUSEにお住まいになっている方の声がありましたので、引用いたします。

 

軽井沢では冬マイナス15℃平均でなるんですね、夜は。昼間はマイナス5℃とか。それでも暖房、数日間かけなくても、朝起きて布団からひゅっと出て、そのままで起きられる。そういうことが凄く快適ですね。温度も安定しているし、すごくいいですね。友だちも泊まって、朝起きると、暖房入ってるんですか?とか聞くんです。でも、いや、もうなんにも入ってない。外がマイナス10℃だから、みんなビックリするんですよ。

出典:PASSIVE HOUSE JAPAN オーナーの声

 

なんと、外の温度が氷点下を下回っている状態でも家の中はあたたかいだけではなく、それが持続しています。

実際にパッシブハウスレベルは取得していない高気密・高断熱の家でもどうようの声を聞くことは多いです。

 

また、冬の暖かさだけではなく夏の涼しさも特徴の一つです。

 

パッシブハウスに認定されるための性能値を思い出してみてください。冬の寒さに対してだけではなく、夏の涼しさにも関係する項目があります。

 

1㎡当たりのエネルギー量 kwh/㎡(年間)
・冷暖房負荷が各15kwh/㎡以下

 

夏冬どちらでも1㎡あたりのエネルギー量は15kwh/㎡と同様の数値です。これは夏も冬も同じ冷暖房負荷で過ごせる家ということですので、夏も家の中のエアコンを1台つけておけば、家全てがすずしくそしてそれが継続することを意味します。

 

パッシブハウスのデメリットは高額な建設費用?

快適な生活ができるメリットはわかったけど、デメリットは無いの?と気になったかもしれません。

 

パッシブハウスに対しては「建設コストが高額になる」と、コストの面での警鐘ならす方も少なからずいます。

 

実際にパッシブハウスが出している情報を見てみると建築コストは概ね+15%~20%ほどのコスト増になるようです。

 

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出典:PASSIVE HOUSE JAPAN よくある質問

 

 

ただし、実際に住まわれている方のインタビューなどを読むと、このコスト増は気にならないという意見も多くありました。

 

それは、メリットとしてお伝えした圧倒的に安い光熱費に起因するものです。

 

たしかに住宅ローンの値段は建築費用の増額分ふえてしまいますが、そのぶん毎月支払う光熱費が大きく削減されるため、実際にはコスト増にはなっていないというお話です。

 

 

パッシブハウスを建てる際の注意点  パッシブデザインとパッシブハウスは異なるものです

 

パッシブハウスを検討している。と言っている方の話を聞いてみると、実はパッシブハウスではなく、パッシブデザインの家を検討しているといったケースが多くあります。

 

すごくわかりにくいのですが、パッシブハウスとパッシブデザインで建てられた家(ハウス)は全くの別のモノです。理解してしまえばわかりやすい違いですので住宅建築の際に間違えないようにここで整理しておきましょう。

 

パッシブデザインとは 

 

パッシブデザインは風・太陽光・地熱などのさまざまな自然エネルギーを上手に利用できるように設計することを意味します。

 

 

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出典:OMソーラー

 

設計思想の根底には、少ないエネルギーで快適な室内空間をつくることがありますので、自然環境を考えた設計だけではなく、そもそもの躯体性能(断熱性能等)を向上することも含まれて語られることが多いです。

 

このパッシブデザインで設計された家を「パッシブハウス」と称して販売している住宅会社もあります。

 

また、パッシブハウスを建築するためには1㎡あたりの冷暖房負荷を各15kwh/㎡以下(年間)に抑えるという要件がありますので、自然環境による室内へのエネルギーの影響を考慮するためパッシブデザインの技法を取り入れる必要があります。

 

そのため、パッシブデザインで設計された家をパッシブハウスと称する誤りが広まりやすい温床ともなっています。

 

パッシブハウスという言葉に二つの意味があるのは消費者にとって非常にわかりにくい状況ですのでお気を付けください。

 

 

パッシブハウス
→ 高い省エネ性能を確保した住宅の認定制度のひとつ

パッシブデザイン
→ 自然環境を有効利用した設計手法

 

昔から太陽光エネルギーを活用している住宅ネットワークOMソーラーなどは、消費者目線でわかりやすいように、パッシブデザインで建築された家は、「パッシブデザインハウス」と表記してくれています。

 

パッシブハウスを建てるためには? まずは省エネ建築診断士に相談してみましょう。

 

パッシブハウスを建てるために必要なポイントは、その認定要件ともなっている性能値を超えていることが必要となります。

 

1㎡当たりのエネルギー量 kwh/㎡(年間)
・冷暖房負荷が各15kwh/㎡以下
・一次エネルギー消費量(家電も含む)120kwh/㎡以下
・気密性能として50㎩の加圧時の漏気回数0.6回以下※
※漏気回数0.6回以下=隙間相当面積(C値)=0.2c㎡/㎡以下となる。

 

上記の要件を超えていることが重要ですので、言い換えると断熱材やサッシなど家の断熱性能に関する設備においての縛りはありません。どういった素材を使ってもよいので、しっかりと要件を超える性能値を取得していることが肝要となります。

 

したがって、パッシブハウス建築にはしっかりと年間のエネルギー消費量を計算する必要があります。

 

エネルギー量の計算は、もちろん施主自体が行う訳ではなく設計を行う会社がすすめることとなります。

実際に依頼する会社がエネルギー消費量を計算できるかどうかの判断基準のひとつに「省エネ建築診断士」の資格を保有しているかどうか?を確認しておくとわかりやすいです。

 

住宅のエネルギー消費量計算に長けている証としての資格「省エネ建築診断士」を認定しているのは、一般社団法人PASSIVE HOUSE JAPAN(パッシブハウスジャパン)です。

 

このパッシブハウスジャパンは、ドイツのPHI(パッシブハウス・インスティテュート)の日本正式窓口です。

 

長野県でパッシブハウスを建てたい!と考えている際には、まずは省エネ建築診断士に相談しましょう。